louis vuitton モノグラム 素材
null
null と笑いながらオバさんは降りていった。  ちょっとにおいを嗅《か》いでみた。気が抜けているようには思われない。リツ子が見たがるから、蒲団の上に手渡して私は野菜を俎板《まないた》の上に切っていった。  さすがに、阿蘭陀《オランダ》ナイフの失せたのが残念だ。あれだと、物を裂くように、行届いて切れる。殊に馬鈴薯の芽のあたり、穿《えぐ》り出す犀利《さいり》な切味が失くなったとは無念である。  少年の柿型に上尖りの特徴のある頭の恰好が眼に浮んだ。あいつが、何をするというのだろう。チョロチョロと辺りを掠《かす》めるような歩きざまだった。リツ子の蒲団にもぐりこんで——。すると、まざまざとした妄想が湧いてくるので、急に、私はリツ子の方へ声をかけた。 「ナイフを盗んだ奴ね」 「はい」  とリツ子は驚いてキョトンと眸《ひとみ》を見開いている。 「蒲団の中にもぐりこんできて、それからどうしたの?」 「もう、いやいや」  と眼を閉じた。 「やっぱりさわったの?」  眼を閉じたまま、リツ子は顔を痙攣《けいれん》させながら肯いた。 「よく、帰ったね?」 「でも、私、必死でしたもの」  私はにぶい切味の庖丁《ほうちよう》で、馬鈴薯の白い肉をトントンと苛《さいな》むように切っていった。  昼も間近かになって、ようやく静子がやって来た。リツ子は化粧を済ませ、着換えた後で、又蒲団の中に入っていたから、すぐ起きた。  私が玄関に出迎えに立つと、静子は頬を染めて、浮腰になっている。この人の癖なのか、それとものぼせてしまっているのか、所在なさそうに足が律動するのが、私には心地よかった。 「この間は、沢山ないただき物をして」