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null「分かった」  新城は百フラン札を出した。 「それでは、パスポートを……」 「私は外国人ではない。フランスの国籍を持っている。名前はヘンリー……いやアンリ鶴岡だ」  新城は答えた。  スーツ・ケースを持ってない新城が手もちぶさたなホール・ポーターに案内されて入ったのは、三階にあるビッグ・ベッド——いわゆるダブル・ベッド——付きの部屋であった。  その部屋に入って少したってから、新城はホテルの交換嬢に、松平淳子のアパルトマンに電話をつないでもらった。 「アロー……?」  中年女の声が電話を通じて応えた。 「松平淳子さんですか?」 「家政婦です。あなたはどなた?」 「“ザ・ソサエティ”ニューヨーク本社のヘンリー鶴岡と申します。マダム松平の優雅なパリ生活ぶりをリポートするために派遣されてきた者です」  新城は答えた。 「今はマダムにお取りつぎ出来ません。あとでこちらから電話します」 「では、ホテル・フィリッツの三〇七号室にお願いします。ヘンリー鶴岡というより、こちら風にアンリ鶴岡と言ってくださったほうが交換手がまごつかないで済むでしょう」  新城は言った。  電話を切って三十分ほどして、その電話のベルが鳴った。ベッドに引っくり返っていた新城は受話器を取上げ、くわえていたタバコを灰皿に放りこむ。  掛けてきたのは、先ほどの家政婦であった。