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ルイヴィトンモノグラムパンプキンドットヤヨイクサマジッピーウォレットブルーm60448編集

「なんで久遠が」 「いまは評価するべきときじゃない。綾人くんがもどってきたら、すぐにデータを回収してくれ。すぐにだぞ」 「は、はい」  たぶん、わたしの動揺が感じられたのだろう。返事する彼女の声もどこか上ずっていた。 「回収したデータときょうのデータのすべては、ひとつだけコピーをとって、あとはコンピューターから削除してくれ。……いや、へたに残しておくと、財団の生理調査チームがなにをいいだすかわからないからね」  とってつけたような言い訳に、七森くんはだまってうなずいた。どこまで動揺をごまかしきれたろうか。ラーゼフォンに受けいれられたということは……つまり、覚醒したということだ。予想はしていたけど、いざ現実のものとなれば、愕然としてしまう。  それは久遠とわたしの永遠の別れを意味しているのだから。 [#改ページ] 第三章 人間標本第1号 断章1 紫東《しとう》 遙 「二〇一二年十二月二十九日未明、東京にMU《ムウ》を名乗る勢力が突如として出現しました。その二時間後、在日米軍の放った核ミサイルによってMU《ムウ》大戦がはじまったのです。そして、拡大する被害はここ仙台にもおよび、翌年一月四日ドーレムの襲来により壊滅的打撃を受けました」  移動するボックスに乗った人々に、大戦メモリアルホールのアナウンスがしゃべりかけてくる。戦後教育の一環とかいって、こういう施設を作りあげてしまうところが、土建国家日本の体質がぬけきらない証拠だわ。あの大戦をアミューズメント・パークのようにしあげることが、戦争の傷痕を忘れないことにつながるのだろうか。  そんなことを思っていると、イヤホンから“かれ”の声が聞こえてきた。 「旧仙台第二小学校の卒業生、教師の中で如月久遠という生徒を覚えている人物はいませんでした。また書類上存在しているほかのデータについても、裏がとれたものはありません」  わたしは如月久遠の調査を行っている。副司令、つまりは八雲っちからの正式な依頼というわけだ。かれは財団からの干渉に対し、いろいろ思うところがあるらしい。
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