オンライン買ってルイヴィトンセカンドタイガ,ルイヴィトンメンズセカンドバック_ルイヴィトンセカンドタイガどの金がいい,ルイヴィトンセカンドタイガブランドの旗艦店 Lystbådehavn


2015-02-06 23:43    ルイヴィトンセカンドタイガ
 私は決勝に向かいつつあるゲームに、だんだん気を入れ始めた。すると、目が覚めた時から、何か嬉しく期待に満ちた一日が始まるのである。今日は誰と誰が見られるかしら。  もしかしたら、男一般は毎日この様な気分なのだろうか。私とベッカムなど、何の関係を持つことも不可能である。持とうという気さえないが、見れば、腹の底から小さな喜びがあわの様にプクプク湧いて来る。年を考えよ。国の遠さを思え。しかし、トコトコと電車の中の美人の前に立つ男も同じで、どうこうしようと思うわけではなく、小さな喜びが体中に満ち、また、トコトコと電車を降りるだけなのだろう。  そしてこれは、性欲とも無関係の様な気がした。この判定はむずかしかった。六十四の女に性欲があるかどうか、自分でも判断がつかなかった。無理に掘って掘って掘りまくれば、川底の砂金の一つぶの様なものが見つかるかも知れないが、もしそれを使用せよと云われたら、私はベッカム様のために使用したいとは思わなかった。  無理して、オッペルと象の、象の様に強制されれば、容貌魁偉なレフリー、「羊たちの沈黙」のレクター博士にキャスティングすればピッタリと思われる丸はげの長身の男に使用したいと自分で発見した。私がはるかに若く、絶世の美女であったら、世界の半分位を追いまわしたいと思うかもしれないが、世界に「もし」ということは存在しない。  強い男が美しいという事はどういう事なのか。美しい女が才能に恵まれると、世の中の九九%の女は嫉妬にまみれて、いささかの反感も持たない事はないと思う。あのスタジアムを埋めつくしている熱狂する群衆の大方の男達は、才能とみてくれの良い強い選手に、女が女に持つような反感は持たないのだろうか。まあ、女がキャーキャー騒ぐので内心面白くはないだろう。  世界中から集まった選手団を見ると、私は、私の中にある無知から来る固定観念に驚いた。  アフリカの黒いひょうの様な人達を見ると、私は何も知らないので、この人達、国へ帰ると素裸で、お祭りの夜など火の上をとびこえて雄たけびをあげるのであろうか、などと考えている。しかし、多分セネガルの首都などはビルが立ち並び、自動車も沢山走り、世界中の都会と何も変らないだろうと思い至るが、それはそれで残念な気がする。  そして、黒い人達と白い人達が試合をすると、私は、絶対に黒い人達に勝って欲しいと、「それ、やっつけろ!!」などと叫んでいる。茶色い人達と白い人達がたたかうと、当然茶色い人に気を入れる。  韓国の根性に私は驚天した。会場が真赤に怒濤の様に熱狂するのを見て、北朝鮮と同じ民族なのだ、統一がなったら、この人達は倍の根性を発揮するかも知れない。そして胸がドキドキして、どうか日本と対戦しないで欲しい、もしも対戦したら、日本は負けてくれなくては困る。あのしぶといパワーと比べると、日本などまるでお坊っちゃんで勝てるわけがないからと、対戦がなくなって胸をなでおろす。しかし韓国は、人間の力を越えたものを巻き込んで勝ち進んで行った。  民族には民族の特質がある。あのすさまじい根性を、かつての帝国日本は見抜けなかったのか。私が帝国日本だったら、あのすさまじい愛国心と根性と能力を持った民族に、決して手出しなどしないのに、と考えただけでも胸がドキドキするが、アン・ジョンファンと中田と比べると、顔も負けたなあとうっとりアン・ジョンファンに目がいって、パチパチと拍手している。  刺されてから、もしかしたらスズメ蜂かも知れないと思って、昆虫図鑑で調べたら、スズメ蜂の種類は一頁まるごと、沢山いるのだ。この蜂は二番目に大きく描いてあった。  どこの病院に行けばいいのか、急いで衿子さんに電話した。衿子さんはどんな時もあわてふためいたりしないで、ゆっくりゆっくり話す。 「刺されたの? あー、去年、Kさんの息子さんが刺されて死んだでしょ。車の中で死んでいたのネ。Kさんが体が悪くなったので、息子さんが草刈りの手伝いに来てたのヨ。車の中で死んだから、しばらく誰も気がつかなかったの」「刺されてからどれ位で死ぬの」「すぐ」。すぐなら、もう私は死んでいるかしら、図鑑なんか調べていたんだもの。 「どこの病院へ行けばいいの」「あの、ここは無医村だったの。前はお医者さんが居たの。一人は無免許だったけど名医だったの。そのあとのお医者は獣医だったんだけど人間もみていたの。獣医も名医だったの」。名医ばっかだったんだ。すぐ死ぬなら、私はあきらめた。死ぬならもう死んでいるはずだ。 「無免許の医者はばれちゃったの。だからその人は居ないし、獣医さんは人間みてたのやっぱりばれちゃったから居ないの。でもスズメ蜂に刺されたら死ぬわよ。大変だわね。そーねェ、ハギワラさんのキョウ子さんなら病院知っているから、キョウ子さんに聞くのが一番いいと思うけど」  ハギワラさんに電話すると、「すぐ行きます」と一言だけで、キョウ子さんは電話を切った。あっという間にキョウ子さんが車で来てくれて、あんまりあっという間だから、スズメ蜂に刺されるのは大変なんだとわかった。 「場所教えてくれたら自分で行きます」と云うと、「とんでもない、途中でどうなるかわからないですよ、早く早く」とキョウ子さんの顔はひきつっていた。  でも私は、すぐ死ななかったら死なないだろうと思った。もし死んでも、無免許医と名医の獣医が居た、のどかなかつての村の様子を知って死ぬのは得した気分だった。証拠物として、蜂を一匹、タッパーに入れて持って行ったのは、我ながらえらいと思う。